ユズリハは新しい葉が古い葉と入れ替わるように出てくる性質から「親が子を育てて家が代々続いていく」ことを連想させる縁起木とされ、正月の鏡餅飾りや庭木に使われます。また、新しい葉が成長すると古い葉が落ちる様子が「譲る」ことに似ていることから「譲葉」とも呼ばれます。

棡の字は、広辞林辞書にも載っていない和製漢字表記で、村里で多く産する柚子のことではないかと思われる人が多いのですが、訓読みでコウ、音読みはユズリまたはユズリハといい、杠、楪と同意語で現在の「譲り葉」のことを表すというのが定説のようです。

廃校となった棡原(ゆずりはら)小学校の校庭には今でもユズリハの木が静かにたたずんでいます。